数学・数理科学 4研究拠点 合同市民講演会

数学・数理科学4研究拠点合同市民講演会
万物共通の言葉「数学」

主催

大学共同利用機関 情報・システム研究機構 統計数理研究所

共同利用・共同研究拠点 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所

共同利用・共同研究拠点 京都大学数理解析研究所

共同利用・共同研究拠点 明治大学先端数理科学インスティテュート

開催日程 2015年12月12日(土) 14時〜17時30分(開場13時30分)
会場 明治大学中野キャンパス5階ホール(東京都中野区中野4-21-1)
中野キャンパスへのアクセス
中野キャンパスマップ
 

プログラム
2015年
12月12日
14:00-14:10 挨拶:文部科学省 研究振興局学術機関課長 牛尾則文
挨拶:日本応用数理学会会長 早稲田大学理工学術院長 大石進一
14:15-14:45

響き合う人とデータ

講演:伊藤 聡(情報・システム研究機構 統計数理研究所)

14:50-15:20

数学における共同研究の役割

講演:岡本 久(京都大学数理解析研究所)

15:35-16:05

インターネットは安全? -数学と暗号の不思議な関係-

講演:高木 剛(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所)

16:10-16:40

科学技術の光と影 -影を商品力強化へと貢献する現象数理-

講演:萩原一郎(明治大学先端数理科学インスティテュート)

16:45-17:15

数学・数理科学の社会への貢献とは?

講演:冨永 星(翻訳家)

17:20 閉会の挨拶:明治大学先端数理科学インスティテュート副所長 三村昌泰

 

講演概要

響き合う人とデータ
14:15-14:45
伊藤 聡:情報・システム研究機構 統計数理研究所

 統計数理は「科学の文法」とも言われ、データに基づいて真理を明らかにしていくための科学的手法です。統計数理研究所は、我が国唯一の統計数理の中核的教育研究機関として、先進的手法の研究開発とデータに基づく合理的な意思決定ができる人材の育成、そして大学共同利用機関として共同利用・共同研究の機能を担っています。本講演では、統計数理研究所の概要と現代社会との関わりについてお話しします。



 
 
数学における共同研究の役割
14:50-15:20
岡本 久:京都大学数理解析研究所

 数学とは「研ぎ澄まされた知性が神の啓示を受けて究極の美を追求する孤独なプロセスからなる」もので、凡人の関与できるものではない、といったフレーズを見ることがある。これは必ずしも間違いではないし、記事を売るためのジャーナリズムにとってそうした描写も時には必要であろう。しかし、数学には、それとは別のプロセスもけっこう見受けられるのである。何人かの数学者が雑然とした空気の中を特別なあてもなく彷徨いながら「共同研究」するというプロセスである。こうした作業を過去の例から取り上げて、その重要性をお話ししたい。



 
 
インターネットは安全?
 -数学と暗号の不思議な関係-
15:35-16:05
高木 剛:九州大学マス・フォア・インダストリ研究所

 暗号と聞くと、軍事・外交などで利用される技術と思われる方が多いと思います。しかし、暗号はインターネットにおいて安全性を実現するために不可欠な技術となっています。不思議な話かもしれませんが、暗号の安全性は素因数分解などの数学問題に支えられています。本講演では、暗号の安全性の評価方法について解説します。



 
 
科学技術の光と影
 -影を商品力強化へと貢献する現象数理-
16:10-16:40
萩原一郎:明治大学先端数理科学インスティテュート

 科学技術には、光の側面と同時に、「影」の側面がある。例えば自動車は、人類史上最高の利便性を与える一方、衝突事故や大気汚染、資源の大量消費といった負の側面も大きい。ただ人類はもはや後戻りはできず負の側面の削減の努力は製造業の生き残りに欠かせない。昨今のVWの例などを基に、数理科学なしにはこの解決はあり得ないことを述べてみたい。



 
 
数学・数理科学の社会への貢献とは?
16:45-17:15
冨永 星:翻訳家

 「若き数学者への手紙」、「xはたの(も)しい」、「素数の音楽」、「シンメトリーの地図帳」といった訳書の内容を踏まえつつ、素人に近い人間が数学の特徴をどう捉えるに至ったか、いかにして数学と科学の連携が必要であると心から思うに至ったか、を述べてみたい。

問い合わせ先
〒164-8525
東京都中野区中野4-21-1 明治大学中野キャンパス
明治大学 先端数理科学インスティテュート
Tel. 03-5343-8067
E-mail:mims@mics.meiji.ac.jp